三戸城を見終わった余が向かったのは太平洋に面した港町八戸。
八戸にはかねてから行ってみたかった根城があるのだよ。
いきなり南部師行銅像。
ここは八戸市博物館の真ん前。
建武の御新政下、陸奥国守兼鎮守府将軍北畠顕家と共に奥州に来た南部師行が拠点にしたのが八戸である。
師行は顕家と共に第二回上洛戦に参加して延元3年5月22日に摂津石津の闘いで顕家と共に戦死する。
博物館の向かいには列車が展示してあった。
今思うと入ればよかった。
しかしその時は根城にうかれていたので気が回らなかったよ。
博物館には師行の居城である根城本丸の模型があった。
室町時代のお城の本丸はこんな感じに天守ではなく主殿があった。
誰かの甲冑(w
博物館内は歴史と考古学と民俗学のテーマに分かれて展示室があった。
南部藩の頃の衣装。
この辺は江戸時代のものらしい。
大名家の嫁入り道具。
流石に上等な塗り物である。
ドールサイズでないものかねぇ。
民俗ブースに居た「海の漢!!」
妙な迫力があってよろしい。
クラッシックパンツの中に隠された魅力の盛り上がりがリアリティー!!
さて、ここからが今回の大本命、根城だ。
実は博物館の隣が根城である。
この門は八戸城のものであった現存門だそうだ。移築したらしい。
現存門を潜ると中は公園になっている。
こちらでも駐車出来る様だ。
手前の道は土橋になっていた。
土橋の両側には空堀がある。
埋まっているのか、あまり深くはない。
右側が博物館である。
左は東善寺があった曲輪。
中館を堀下から見上げる。
こういう感じに芝が植えてあると広々としていて気分がいい。
中館には東屋があって見晴らしも良さそうだ。
中館の城塁。
こうやって見ると急勾配である。
これを甲冑を身につけて駆け上るのは大変だろう。
中館の堀。菖蒲が植えられているので、昔は水濠だったのだろう。
中館跡。
向こう側に馬淵川があって、その先は八戸市街地、さらに先に八戸空港がある。
中館にある本丸の模型。
中館から見る本丸。
ちなみにあの橋からは有料区域であるよ。
橋を渡って虎口を登る。
憧れの本丸はもうすぐだ!
本丸に入ると航空写真があった。
よくぞこんな立派に復元したなあと思う。
大抵は天守閣風な資料館を造るのがセオリーだもんなぁ。
天守閣も嫌いじゃなが、天守がなかった城に建てちゃうのはどうかと思うよ。
主殿なら大抵の城にあったから問題なし!
そして、これが、根城の主殿。
主殿は主に接待や儀式に使用した建物である。
想定時代は安土桃山だそうだが、問題なし。
前々から来たいと思っていた場所へついに来たよ。
余はさっぱりうれしいよ。
さっそく主殿に入っちゃうよ!
台所から上がってまずは詰ノ間。
来客の対応をする人がいる部屋だ。
茶ノ間。
来客に茶を振る舞う部屋。
茶の湯スキーにはたまらん部屋だ。
段縁。
こういう板張りの廊下が中世の御殿ぽくてイイ!
広間では接待が行われていた。
正月の一族が集まった儀式の再現らしい。
甲冑を着た人物が先祖を代表して一族の者を歓迎するそうだ。
正月祝いのお膳。
めでたい品揃えなのだが詳細は忘れた。
祈祷ノ間。
けして亀の頭ではない。
重宝ノ間には摂津にある顕家様と師行の供養塔の拓本があった。
雪隠。
多くは語るまい。
本丸跡に生えている大いちょう。
樹齢700年だから、ちょうど南北朝時代か?
中馬屋。来客者用の馬小屋だ。
馬の模型も飾ってあるが、出来は藤原の郷の方がリアルだったな。
こちらはポニーみたいで可愛い系?
本丸西側にある堀っていうか沢?
自然の地形を利用した縄張りだろうが、これがまた深いんだなぁ。
主殿を西側から見る。
手前左の小屋は番屋。
警備の兵が詰めていた場所。
右側には西門がある。
そして本丸の周囲はぐるりと柵で囲われている。
本来は敵を防ぐ柵であるが、今は金を払わずに侵入する者を阻む為にあるのだろう。
これも主殿の西。
唯一消火栓が邪魔だが、これも火事から守る為だから仕方がないのだろう。
本丸西側風景。
周囲を囲む柵がいかにも中世でいい。
砦といった雰囲気も感じられるので戦国時代に飽きた人にはオススメである。
本丸西側から見た風景。
本丸を囲む沢が二重堀に見える。
本丸の城塁が結構な勾配なのが見てとれる。
主殿を南西から見る。
正面左の出っ張り部分が雪隠である。
本丸内にある工房。
藁葺き屋根の小屋である。
半地下になっていて中に入ると鎧の修繕や武具の手入れを行っていた小屋だそうだ。
主殿を南から見る。
この板葺き屋根の黒板壁が東国のお城らしさを出している。
質素倹約な武士にふさわしい造りではないかと思うよ。
工房の裏にある野鍛冶場。
しかしこんなのまで本丸にあったのか?
本丸全景。
右から板蔵。鍛冶工房。主殿。野鍛冶場。
主殿の手前には当主の住まいであった御常殿があったのだが、これは復元されていない。
あと板蔵の後ろに奥御殿もあったらしい。
板蔵は当主家族が使う道具や衣類を収めていた建物。
中を見てびっくりしたのがこの割籠という器。
源氏物語とかではもっと小さい物だと思っていたが、これは直径が1メートルほどででかかった。
本丸を出た余は周囲を回る事にした。
北側を廻ると本丸の城塁がうつくC−。
更に回り込み西の沢に入ると、アヒルの番が余を先導する。
アヒルの後に続く余。
正面には柵を巡らせた城塁が見えてくる。
しかしなんか軽井沢の高原でも散策している様なこの気分はナニ?
白いワンピの美少女がいつ現れるかとドキドキだよ!
本丸西側の空堀と中土塁。
まるで自然の地形みたいだ。
南西から見た根城遠景。
さすがに全景は見えなかったが、ここから見るだけで、まるでタイムスリップした気分になれる。
国道を走っていると見える風景なので、知らない人が見れば驚くだろう。
事実、余も車から見た瞬間は「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」とニヤけてしまったよ。
本丸南側の堀。
今はガサ藪となりかけているが、当時は水堀だったらしい。
わずかに水溜まりが残っている。
一周して東正面に戻ってきた。
こうやって見ると城跡というよりも館跡と言った方が似合いそうな根城跡でした。
最後は上空に見えたP−3Cオライオン。
これは八戸の海自のか?
さて、これで三日目の午前中が終わりました。
あとは午後の分を残すのみ。
今回の津軽平定戦も次回で終わりです。
ではまた。