今年の桜も見納めか

板東の桜もそろそろ散り始めて、今年も見納めかと思うと、ちと寂しい。
なので今回はつれづれなるままに散り際の桜タンを愛でてきたよ。

ここは首都圏から車で北東へ向かって二時間ほどの場所にある逆井城。
いまでこそ田んぼに囲まれた丘でしかないが、戦国時代は沼地に囲まれた台地であった。
まあだからこそ城郭が築かれたのであるが。

まずは見てくれ、この雄姿を!!
ここは戦国時代の城郭ファンなら喜びのあまり悶え死ぬ事必須の城であるよ。
何度か来た事はあるが、桜の時期に来たのは始めてだよ。
しかしここの桜もすでに散り始めていた。

二曲輪から大手に続く橋と、二階櫓。
この板塀作りがなんとも後北条流の築城術を醸し出す品物だ。

同じく二曲輪にある望楼櫓から見た風景。
以前は入れなかったが今回は誰かが閉ざしてあった板をどかしていたので
余もこっそり登ってみたよ。
きっと武王の門で懐良親王菊池武光がよく登って話をしていた櫓もこんなんだったと思われ。

二曲輪に復元された主殿。
実は潮来市にあった堀ノ内大台城のものだそうだ。

こちらは関宿城にあった門を移築したものだ。

こちらは天正十六年頃の観音堂
これもよそにあったものだ。
この様に二曲輪には復元移築建物があるので当時の雰囲気を味わう事が出来るので楽しい。

二曲輪から本曲輪に続く馬出し。
見事な形が残っているが、ここには以前は橋があったようだが、今はもう無い(オトボール)。

馬出しの隣りにある鐘堀池。
落城の際、城主の奥方か姫が自害した池と言われている。

本曲輪虎口に復元されている櫓門と橋を空堀から見上げた所。
堀の深さは4メートルほどあって、かなり迫力があるよ。

二曲輪東側の三曲輪を隔てる空堀と横矢掛り。
土塁にクランクを付ける事で矢を射る範囲を増やす仕掛けだ。
この様に逆井城は公園として綺麗に整備されているので安心して見物出来る。
余もこれ以上不審者には思われたくないからね。

逆井城を後にして北東方面に向かう。
次に訪れたのは関城である。
車を停めて坑道跡に寄る。
この通りに堀り掛けの坑道が残っている。
ここは太平記北畠親房が立て籠もった城で、坑道は足利方の寄せ手である高帥冬が掘ったもの。

こんな感じに畑の真ん中にぽつんとあるが、崩れる危険があるので入れなくなっているよ。

八幡神社の裏手に残る高さ5メートルぐらいの土塁である。
前回はここまで来なかったので気づかなかったよ。

本曲輪にある関宗祐のお墓。
北畠親房が立て籠もった当時の城主で、落城時に討ち死にしている。
なお親房はどうにか脱出してちゃっかり吉野に帰っている。

関城遠景。意外と平らな場所にあるが、ここも周囲は沼や湿地帯だったので
この様に島の様になっている高台が城として有効な拠点となりえたのであろう。
なお、戦中に陸軍の飛行場があったという話もあるが、誰か知っている人いますか?

次は東に移動して筑波山の近くにある小田城に行く。
これはその復元図。
ここもまた所謂平城である。
最初は方形の館だったが、拡張していく内に複雑化していったそうだ。
あの上杉謙信にも攻められた事がある由緒正しい城である。

前の写真の本曲輪右にある鐘撞堂。
この五輪塔だが東京の金持ちが持っていったら不幸が続いたので返したという曰く付きだそうだ。
ここの桜はまだまだ見頃だったのでよかったよ。

一曲輪と二曲輪の間にあった堀の跡。低い場所が掘りだったようだ。

南側には水堀が復元されていた。
と言っても水田みたいだけど、ないよりマシさ!

涼台から曲輪内方向へ筑波山を望む。
かつて北畠親房はここで神皇正統記を書いたと言われるが、
ここから親房もあの筑波山をこうして見たと思うと感無量である。

小田城を貫通していた筑波鉄道小田駅跡。
プラットホームは今でもしっかり残っていた。

今度は南下して霞ヶ浦湖畔にある木原城
ここは戦国とか小田原とかよく言われる後北条氏常陸の佐竹を攻める為の拠点とした城だそうな。
今は小学校がほとんどを占めているが、二の丸と本丸が公園として残っている。
これは二の丸と本丸の間にある土塁と空堀
左に行くと本丸だ。
土塁は高く、堀は深いので見応えはあるぞ。
でも本当は近くの永厳寺の裏にある二重堀がすごいらしい。
今度はそっちもチャレンジだ。

本丸土塁の上から見た二の丸。
奥に見える二の丸の土塁は結構高い。
畑におっちゃんがいなければ登ってみる所だったぜ。

ちなみにこれが本丸の現状だ。
花はきれいなのだが、ほんとうにただの公園である。
だが広さは結構あるので、かなりの兵力を収容出来たに違いない。
ところでここもすでに桜は散っていた。
板東の春は終わろうとしているよ。

と、言う訳で今回はどこもかつて来た事がある城ばかりであったが
前とは違う季節に来ると雰囲気も変わって新しい発見に巡り会える事もある。
だから城跡巡りは面白い。